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キミはキーワードについて聞いてみようと、
前を歩く少女の肩を叩き呼び止めた。
すると突然・・・

シア 「汚い手でシアに触れないでよ」

なんと突然、顔面に拳を叩き込まれた。
キミは面食らってしまい、そのまま仰向けに倒れる。

シア 「わ どうしよ つい手が出ちゃったよ」

少女は慌ててキミの元に駆け寄る。
すると、背後から突然男の声がした。

ロッド 「シアさん、またやってしまいましたか」

シア 「あ ロッドさん 悪気は無いんだよー」

目の周りが腫れてしまって男の顔はよく判別できないが、
声の感じからすると中年の男のようだ。

ロッド 「大丈夫ですか?鼻血が出ていますよ。
 このハンカチで拭いてください」

男が肩越しに白いハンカチを差し出した。
キミは親切に甘えて、そのハンカチを鼻の下にあてる。

シア 「ごめんよー 急に後ろから声かけられたから
 びっくりしたんだよー」

確かに、このような薄暗い路地裏で背後から声をかけられれば
誰でも驚くのは当たり前だろう。
キミは自分にも非があると考え、深く責めることはしなかった。

ロッド 「私からも重ねてお詫びをします。
 では、我々は急ぎますので失礼しますね」

そう言い残すと、男と少女はその場を立ち去った。
結局キーワードについて尋ねる事はできなかった。
骨折り損のくたびれ儲け、という言葉を思い出して
キミは男にもらったハンカチを何気なく広げてみる。
すると、その裏地には大きく『い』と文字が書かれていた。
これは・・・キーワードのひとつなのか?

キミはフラグ「キーワード『い』」を手に入れた


シア 「ロッドさんロッドさん ああいう時は
 どうしたらいいのかなー」

ロッド 「ガンガンいくしかないな」

・・・・・・!?
キミは驚いて声の方を振り返ったが、
二人の姿はすでに曲がり角の奥へ消えていた・・・




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