余白
やっぱ、こういう時はお金で解決ですよね・・・?
キミは財布を取り出すと、それをおそるおそる差し出した。

ゆり 「・・・なんだよ、これは?」

おサイフです。

ゆり 「そんな事はわかってんだよ!」

はいいーーーーー!
レディースが釘バットで橋脚を叩くと、橋全体がぐらぐらと揺れる。
な、なんて馬鹿力だ!?

瑠維 「この財布は何のつもりだってことだよ」

ええと、ご自由に使っていただいて結構です・・・。

ゆり 「ん?なんだ、カンパか?
 なら最初っからそう言えばいいんだよ。
 紛らわしいことしやがって」

瑠維 「正直助かったよ。餌代やミルク代も
 ばかにならなくてな」

・・・いまいち状況が飲み込めないが、
とにかく許してくれたみたいだ。

ゆり 「アンタにも見せてやるよ。
 ほら、ついてきな」

キミは一刻も早くここを立ち去りたいのをぐっと我慢して、
びくびくしながら二人の後を着いて行く。
そして案内された橋の下には・・・

「わんわんわん」

「にゃーにゃーにゃー」

・・・・・・犬、猫?
他にもいっぱい動物がいる。

ゆり 「可哀想だろ、その子ら。
 みんな捨てられてたんだ」

瑠維 「放っておけなくてな、ここで俺達が
 面倒見てたんだ」

・・・いや、それならそうと言って下さい。
というか、格好からして紛らわしすぎるんですって。

ゆり 「カンパありがとな。
 役に立つかわからないけど、
 コレあげるよ」

レディースはサラシの中からくしゃくしゃに丸めた紙を出して
キミに手渡した。まるで四次元ポケットだ。
何かと思って広げてみると・・・
ただ一文字、大きく『つ』と書かれている。

瑠維 「それ、キーワード、ってやつらしい。
 俺達にはよくわからないんだけどな」

財布を失ったのは痛いが、無事キーワードを手に入れることができた。
この調子で他のキーワードも集めていこう。

キミはフラグ「キーワード『つ』」を手に入れた





余白